エンバーミングは、ご遺体を長期間保存するために防腐処理などを行う技術のことです。
近年日本でもエンバーミングという言葉を耳にする機会は増えてきましたが、エンバーミングについて詳しく知っている人は少ないと思います。
今回はどんな時にエンバーミングが行われるか、エンバーミングの流れや費用、メリットやデメリットについて詳しくお伝えしたいと思います。
目次
エンバーミングとは
ご遺体を衛生的に保つために施す、防腐・殺菌・修復処理技術のこと。エンバーミングを行うことでご遺体を長期間(最大50日程度)安全に保つことができます。
エンバーマーという特別な資格を持った人のみが施術することができる技術で、ご遺体を生前のお姿に近い形に保ち腐敗を遅らせることができるほか、ご遺体からの感染症なども防止することができます。
死化粧との違い
別名エンゼルメイクともいわれる死化粧は、ご遺体にファンデーションや口紅をぬり、文字通りお化粧を施すことをいいます。髭剃りも死化粧のうちで、エンバーミングと違い、基本的にはご遺体を表面的に整える作業になります。また死化粧は、葬儀社のスタッフによって行われます。
エンゼルケアとの違い
エンゼルケアは、患者さんがお亡くなりになってからお見送りまで、ご家族への対応も含めだ死後に行う処置やケア全般のことをいいます。具体的には、医療機器を外したり、タオルなどで体の汚れを拭き取る清拭(せいしき)を行ったり、治療でできた傷の手当をしたり、死化粧(エンゼルメイク)もこの中に含まれます。こちらは基本的には病院のスタッフが行います。
エンバーミングが必要とされるケース
エンバーミングは、次のいずれかのケースに当てはまる場合に利用されることが多いです。
火葬までの期間が長い
一般的に、ご逝去から火葬までの日数は2〜3日ですが、火葬場の空き状況や会葬者の都合などから、葬儀の日程が先送りになることもあります。通常、火葬までの間はご遺体をなるべく涼しい場所に安置し、ドライアイスを使って腐敗を防ぎますが、葬儀までの日数が長くご遺体の状態を保つことが難しいと判断された場合にエンバーミングが必要になります。
✔︎ 家族に海外在住者がいて帰国に時間がかかる場合
✔︎ 家族がたまたま旅行中で帰国に時間がかかる場合
生前に近い姿でお別れがしたい場合
長い闘病生活や事故などで、ご遺体が生前のお姿からかけ離れてしまった場合などに、少しでももとの元気な姿に近づけてあげたいという理由からエンバーミングを希望されるご家族様もいらっしゃいます。エンバーミングを施すことで生前に近い安らかなお姿でお別れをすることができます。
ご遺体の空輸が必要な場合
海外などでお亡くなりになり日本で火葬をされる場合は、ご遺体を飛行機で運ばなくてはいけません。その場合、安全上の理由からドライアイスが使用できないため、必ずエンバーミングが必要になります。
エンバーミングのメリット
ドライアイスが必要ない
通常はエアコンのきいた部屋でドライアイスを用いてご遺体の状態を保ちますが、エンバーミングを施した場合は、そのままの状態で最大50日まで保つことができるといわれています。
死後硬直がない
エンバーミングを施すと死後硬直もないため、ご遺体に触れた時にも生前に近い状態を保つことができます。
感染症の心配がいらない
病気でお亡くなりになられた場合、その病気がご家族様に感染する心配がなくなりますので、ご家族様は安心して故人に触れることができます。
ご遺体の変化を防止できる
エンバーミングを施すことで、黄疸や水泡の発生、異臭、腹水などを防止することができます。
元気だった頃の面影のまま思い出にできる
長い闘病生活を送られてきたり、事故等で損傷が激しいご遺体の場合でも、最後は元気だったお姿を思い出しながらお別れをすることができます。
心置きなくお見送りができる
腐敗や感染症などの心配がなく、安らかなお姿で最後のお別れできるため、衛生面や安全面を気にせずお見送りをすることができます。
エンバーミングのデメリット
メリットの多いエンバーミングですが、もちろんデメリットもあります。
費用がかかる
エンバーミングはご遺体の状態に応じて必要な処置を施していくため費用には個人差がありますが、相場は15万〜25万ほどといわれています。また別途ご遺体をエンバーミング施設まで搬送する費用もかかりますので、決して安い金額ではありません。
時間がかかる場合がある
エンバーミングは3時間〜4時間で終わることが多いですが、お近くにエンバーミングをできる施設がない場合などは施術可能な場所へ搬送する必要がでてきます。その場合数日故人様と離れることになります。葬儀の日程にも影響しますので注意が必要です。
エンバーミングの流れ
次にエンバーミングを依頼するときの流れについてお伝えします。
①提出する書類を揃える
エンバーミング施設からも必要書類について指示があると思いますが、一般的には「エンバーミング同意書」と「死亡診断書」の提出が必要になります。また資料として故人様らしさのわかる生前のお写真も提出しましょう。
②搬送
故人様を安置している場所からエンバーミング施設へ搬送します。
③洗浄・消毒
エンバーミング施設では、まずご遺体の状態を確認し、その後ご遺体を洗浄・消毒・口腔ケアなどをおこないます。
④衛生保全
洗髪や洗顔、肌表面の保湿などを行い表情も整え、必要であれば髭剃り、産毛剃りなども行います。
⑤体内洗浄・防腐保全処理
ある程度表面的な部分が整ったら、次は体内の洗浄と防腐処理が行われます。まず体内の血液・体液を全て排出し、保全液が注入され、全身に行きわたらせます。ちなみにこの処置のため、鎖骨の下と腹部を1cm程度切開し、後で修復します。
⑥器官への残置物除去
食堂や胃・腸などの消化器官や、喉などの呼吸器官に食べ物・水分・痰などが残っている場合は除去したのちに防腐液を注入します。
⑦切開箇所の修復
次に⑤で切開した箇所を縫合し修復します。体の表面に傷などがある場合はここで合わせて修復処置を行います。すべて終わったら再度表面を洗浄します。
⑧衣装・整髪
そして衣装や髪型を整えます。衣装は、故人様の宗教・宗派に合わせた衣装などご指定の装束への着替えを行います。
⑨死化粧
最後にご家族様の希望に沿った形で死化粧を施します。
⑩納棺・搬送
すべての処置が完了したら棺にお納めし、ご指定の安置場所に搬送します。
ちなみに納棺は搬送後に葬儀社スタッフが安置場所で行う場合もあります。
エンバーミングの費用
デメリットの章でも触れましたが、エンバーミングにかかる費用は15万〜25万程度です。
これはエンバーミングそのものの費用で、エンバーミング施設までの往復の搬送料や衣装代、棺代などは含まれていません。
エンバーミングを行わず通常の納棺までのケアを行なった場合は、納棺士に支払う費用が8万〜10万、さらにご遺体の腐敗を防ぐドライアイスが1日あたり8千〜1万円程度かかります。そのため、長期間安置しておく必要がある場合などはエンバーミングの方が費用を抑えられるという場合もあります。
エンバーミングを迷っている方は葬儀社に相談してみましょう
今回は、エンバーミングについて内容や費用、メリット・デメリットなどをお伝えしました。
日本は火葬の国ということもあり、海外に比べるとエンバーミングは馴染みの薄いものかもしれませんが、最近ではエンバーミングを行う人も増えてきています。
エンバーミングは、感染症の予防やご家族様の精神的ご負担の軽減など、メリットの多いものですが、身体を切開することの抵抗感のある方もいらっしゃると思います。また費用面のご心配もあると思いますので、気になる方は、一度葬儀社に相談してみましょう。
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