
参列者を身内や親しい方に限定する家族葬では、葬儀を終えた後に、お世話になった方へ事後報告を行うことがあります。
その際に、「何をどのように伝えればよいか」、「メールやSNSで伝えてもよいか」などと迷われる方も少なくありません。また、知人や職場、ご近所の方など、相手によって適切な伝え方は異なります。
今回は、家族葬の事後報告の伝え方を、伝える相手別に、文例も交えてご紹介します。文章を書く際に気をつけたい注意点や押さえておきたいポイントもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
家族葬の事後報告を伝える時期
相手別の連絡方法の選び方
はがきとメールの文例6パターン
辞退の伝え方と忌み言葉の注意
家族葬の事後報告とは?伝える時期と基本マナー
家族葬は、参列者を限定する葬儀形式です。そのため、故人と親交のあった方すべてが葬儀に参列できるわけではありません。
そこで、家族葬を終えた後に、知人や職場関係者、ご近所の方など葬儀に参列いただけなかった方に、家族葬を取り行ったことを事後報告する場合があります。
事後報告の際には、「身内のみで家族葬を執り行ったこと」や、「事後報告になってしまったことへのお詫び」、そして「生前お世話になったことへのお礼」などを簡潔にお伝えします。
事後報告はいつまでにする?
家族葬の事後報告をする時期に明確な決まりはありません。
葬儀後1〜2週間以内を目安になるべく早めに行うという考え方が一般的ですが、四十九日法要を一つの区切りとする考え方もあります。
四十九日法要後であれば、ご遺族が一段落ついたタイミングで報告ができるため精神的な負担が少なく、また、香典返しなどの手配を一度にまとめることができるといったメリットがあります。
しかし、故人と親しかった人の中には、訃報をすぐに知らされなかったことを残念に感じる方もいるかもしれません。そのため、相手との関係性や親しさも考慮し、その人に合わせた適切なタイミングでお伝えしましょう。
なお、年賀状を送り合うだけの間柄の知人には、喪中はがきでの報告で済ませるケースもあります。ただし、喪中はがきは年賀欠礼を知らせるためのものです。葬儀を終えたことを伝える必要がある場合は、別途連絡することも検討しましょう。
相手に応じた連絡方法の選び方
家族葬の事後報告は、はがきや手紙で行うことが最も丁寧で失礼のない連絡方法です。
しかし、普段からメールやSNSで連絡を取り合っている親しい間柄の方であれば、メールやLINEなどのSNSを用いても問題ないとされています。相手との関係性や普段の付き合い方に応じて、適切な方法を選ぶことが大切です。
知人・友人への報告:関係性に応じて、メール、はがき・手紙を使いわける
職場関係者への報告:関係性や状況に応じて、メール、口頭での報告を使いわける
ご近所への報告:関係性や状況に応じて、口頭での報告やはがき・手紙を使い分ける
家族葬の事後報告に含める内容と注意点
本題に入る前に、事後報告に書くべき内容と、書く際の注意点を確認しておきましょう。
家族葬の事後報告に含める内容
文章に含める内容は、次のとおりです。
- 故人の氏名と死亡年月日
- 差出人と故人との関係(続柄)
- 家族葬にした理由(必要に応じて)
- 無事、葬儀を家族葬にて執り行った旨
- 事後報告になってしまったことへのお詫び
- 生前お世話になったことへのお礼
- 書面(メール)での連絡となってしまったことへのお詫び
- 差出人の氏名と連絡先
上記の内容を、簡潔に伝えることがポイントです。
文章を書くときのマナー
弔事の文章では、以下のポイントに注意しましょう。
【句読点はつけない】
葬儀や法要の案内状・挨拶状では「、」や「。」は使わずに文章を作成する慣習があります。この理由は、諸説ありますが、毛筆で書かれていた時代の書状の形式に由来するともいわれています。
文章を読みやすくするためにも、句読点の代わりにスペースを用いるとよいでしょう。
ただし、メールなどでは一般的な句読点を使っても差し支えありません。送付する媒体や相手に応じて使い分けましょう。
【忌み言葉は避ける】
弔事の文章には、不幸を連想させる言葉や、「ますます」「いよいよ」など同じ言葉を重ねる重ね言葉などを、忌み言葉として避けることがマナーとされています。文章を考える際には、忌み言葉が含まれていないかにも気をつけましょう。
香典・供花・供物・弔問の辞退を希望する場合
事後報告を受けた方から、香典や供花・供物などのお心遣いや、ご自宅への弔問を希望される場合があります。それらを辞退される場合は、次のような文章を加えると、相手に意向が伝わりやすくなります。
「大変恐縮ではございますが ご香典 ご供花 ご供物ならびにご弔問の儀は 固くご辞退申し上げます」
辞退する対象は、実際の意向に合わせて具体的に記載しましょう。たとえば、香典のみを辞退する場合などに、すべてを辞退するような表現にならないよう注意が必要です。
家族葬の事後報告に使える文例【はがき・手紙】
ここでは、家族葬の事後報告を、はがきや手紙で行う場合に、そのまま使える文例をご紹介します。
はがきや手紙での事後報告は、相手を問わず幅広く使えます。特に目上の方やしきたりを重んじる方には、はがきや手紙でご報告することをおすすめします。
基本の事後報告の文例
父 ○○○○ 儀 去る○月○日に永眠いたしました
葬儀につきましては 故人の遺志ならびに遺族の意向により 近親者のみで執り行いました
早速お知らせ申し上げるべきところ ご報告が遅れましたことを深くお詫び申し上げます
生前に賜りましたご厚情に 心より御礼申し上げます
本来ならば直接ご挨拶申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもちましてご報告申し上げます
謹白
令和○年○月
住所 ○○○○○○○○○○○○
氏名 ○○○○
香典・供花・供物・弔問を辞退する場合の文例
香典・供花・供物・弔問などのご厚志を辞退する場合は、文中に辞退の意向を添えるとよいでしょう。
このとき、実際に辞退を希望するものだけを記載することが大切です。
父 ○○○○ 儀
去る○月○日に永眠いたしました
葬儀は近親者のみで執り行いましたことをご報告申し上げます
事後のご報告となりましたことをお詫び申し上げます
なお 誠に勝手ながら ご香典 ご供花 ご供物ならびにご弔問につきましては 固くご辞退申し上げます
生前に賜りましたご厚情に心より御礼申し上げます
略儀ながら書中をもってお知らせ申し上げます
敬具
令和○年○月
住所 ○○○○○○○○○○○○
氏名 ○○○○
たとえば、香典のみを辞退する、弔問のみを辞退するという場合は次のような文章にしましょう。
「なお 誠に勝手ながら ご香典の儀は固く辞退申し上げます」
「なお 誠に勝手ながら ご弔問の儀は固く辞退申し上げます」
家族葬の事後報告に使える文例【メール】
メールは、普段からメールでのやり取りのある相手への連絡や、早めに報告したい場合に便利です。メールの場合、訃報連絡ということが一目でわかるタイトルを忘れずにつけるようにしましょう。
親しい知人・友人への事後報告メールの文例
メールで事後報告をする相手は、親しい間柄の方に限るため、書面に比べてカジュアルな文面になることも多いです。
○○さん
ご無沙汰しています
実は 父が○月○日に亡くなりました
葬儀は家族のみで執り行ったため 事後の報告となってしまい申し訳ありません
生前は父のことを気にかけてくれて 本当にありがとう
まずはメールでの報告となりますが 取り急ぎお知らせします
○○
親しい知人・友人への事後報告LINEの文例
相手によっては、メールよりもLINEなどメッセージツールを使った方が自然という場合もあると思います。LINEなどのSNSでの事後報告は、親しい友人に限り、絵文字やスタンプはなるべく使わないよう心がけましょう。
葬儀は故人の遺志により、近親者のみで執り行いました
事後のご報告となりましたことをお詫び申し上げます
生前、父に温かいお心遣いをいただきました皆様に 心より御礼申し上げます
職場・仕事関係者へのメールの文例
ご自身の職場や故人の職場、仕事関係者の方へのご連絡も、メールで行うことがあります。
【故人の職場関係者への事後報告メールの文例】
○○様
お世話になっております
私事で恐縮ですが 父 ○○が○月○日に永眠いたしました
葬儀につきましては 近親者のみで執り行いましたため 事後のご報告となりましたことをお詫び申し上げます
生前は父が大変お世話になり 心より御礼申し上げます
略儀ながらメールにてご報告申し上げます
○○(差出人の氏名)
【ご自身の職場関係者への事後報告メールの文例】
自分の親などが亡くなり、家族葬を終えた後に、勤務先の上司や同僚へ報告する文例です。
ただし、すでに忌引き休暇の取得で連絡済みという場合も多いと思います。その場合は、忌引き休暇明けに口頭でお伝えするのが自然ですが、会社から報告を求められている場合など追加連絡が必要な場合には、次のようにお伝えしましょう。
○○部長
お疲れ様です。○○です。
先日ご連絡いたしました父の葬儀につきまして 近親者のみで滞りなく執り行いましたことをご報告申し上げます
忌引き休暇中はご配慮いただきありがとうございました
まずはメールにてご報告とお礼を申し上げます
○○
知人・職場・ご近所への家族葬の事後報告のポイント
家族葬の事後報告を、誰に、どのように伝えるかといった伝え方のポイントをまとめました。
知人・友人には関係性に応じて伝える
故人と親しかった方や、生前にお世話になった方には、事後報告となったことへのお詫びと、これまでの感謝を伝えましょう。親しい間柄であれば、形式にこだわりすぎず、相手との関係性に合った言葉で伝えることが大切です。
職場・仕事関係者には簡潔に報告する
故人の職場関係者には、生前お世話になったことへの感謝を伝え、家族葬を執り行った旨を簡潔に報告します。
一方、自分自身の職場については、忌引き休暇の申請時に事情を伝えている場合も多いと思います。その場合は、葬儀後に改めて事後報告することは必須ではありません。出社時に休暇へのお礼を伝えるなど、職場の慣習に合わせて対応しましょう。
ご近所には、口頭や書面で丁寧に伝える
ご近所への報告は、故人や遺族との付き合いの程度に応じて対応します。特に親しくしていた方や、日頃からお世話になっていた方には、事後報告となったことへのお詫びと感謝を伝えるとよいでしょう。また、町内会や自治会などで訃報を知らせる慣習がある場合は、地域の事情も踏まえて対応しましょう。
家族葬の事後報告で気を付けたいマナー
最後に、家族葬の事後報告で気をつけたいマナーをご紹介します。
香典、供花・供物、弔問を辞退する場合は明確に伝える
香典や供花・供物、ご自宅への弔問を辞退したい場合、辞退したい対象を具体的に明記した上で辞退の意向を伝えましょう。
「香典等のご厚志は辞退させていただきます」のように曖昧に書いてしまうと、相手が「供物ならよい?」「弔問はできる?」などと迷ってしまう可能性があるため注意が必要です。
家族葬にした理由を説明するかは関係性による
家族葬にした理由は、遺族の意向や故人の遺志、参列者の範囲を限定したい事情など、家庭によって異なります。必ずしも周囲に詳しく説明する必要はありません。
ただし、葬儀に参列できなかった友人・知人や、故人と親しかった方の中には、「なぜ知らせてくれなかったのだろう」と感じる方もいるかもしれません。そのため、相手との関係性に応じて差し支えない範囲で伝えると、事情を理解してもらいやすくなります。
報告が遅れた場合はお詫びを添える
家族葬では、訃報が事後報告となることは珍しいことではありません。そのため、報告が遅れたことを必要以上に恐縮する必要はありませんが、「ご報告が遅くなり申し訳ございません」「本来ならば早くお知らせすべきところ、ご報告が遅れましたことをお詫び申し上げます」などの言葉を添えると丁寧です。
家族葬の事後報告は相手に合わせて丁寧に伝えよう
家族葬の事後報告は、故人が生前に受けたご厚情への感謝を伝えるとともに、今後のお付き合いを続けていく上でも大切な機会です。
連絡方法は、はがきや手紙で伝える方法が基本となりますが、一方で、親しい友人など、普段からメールやLINEで連絡を取り合っている相手であれば、メールやLINEで報告しても差し支えないとされています。
文章を作成する際は、忌み言葉を避けるなどのマナーにも配慮し、相手に失礼のない表現を心がけましょう。
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