ご遺体が納められた棺を、火葬場へ送り出す儀式「出棺(しゅっかん)」は、多くの参列者にとって故人様と向き合う最後の時間になります。
その大切な儀式では、いったいどのようなことが行われるのでしょうか。
今回は、出棺の流れや注意点を詳しく解説します。
出棺とは
ご遺体が納められた棺を火葬場へと送り出す儀式のことを出棺(しゅっかん)といいます。出棺は「出棺式」「出棺の儀」と言われることもあります。火葬場へ同行できるのは、主にご家族様など近しい間柄の方のみとなるため、一般参列者にとっては、この出棺の儀式が故人様と向き合える最後の時間となります。
出棺の流れ
出棺は、基本的には葬儀・告別式の後に行われます。ここではどのような流れで出棺の儀式が行われるか順を追ってご説明したいと思います。
【出棺の流れ】
①喪主挨拶
②別れ花
③釘打ち(省略される場合もあります)
④出棺
⑤納めの儀・火葬
⑥収骨
①喪主挨拶
はじめに、喪主が参列者に対して挨拶を行います。参列のお礼や、生前故人様と親しくしていただいたことへの感謝の気持ちなどを、故人様とのエピソードも交えながらお伝えします。
ちなみにここでの挨拶は、あまり形式にとらわれることなく、故人様の性格や、思い出に残ったエピソードなどをお話ししても良いです。
特に家族葬のような親しい方々が集まった葬儀であればより親密な空間になりますので、形式的な挨拶よりも思い出話を交えた挨拶がふさわしいといえます。
②別れ花
挨拶が済んだら次に行うことは、故人様が納められた棺の中に参列者一同が花を手向けていく別れ花の儀式です。ちなみに手向ける花そのもののことを別れ花ということもあります。
花は祭壇にある生花を用いるのが一般的で、葬儀社が棺に納めるサイズにカットした花をお盆にのせて配ってくれるので、そちらを喪主→ご家族様→ご親族様→一般参列者の順に、故人様の顔や体の周囲に生花を飾り入れます。
ちなみにこの別れ花の儀式が、故人様のお顔を見て、お体に触れられる最後の機会となるため、思う存分お別れをしてあげてください。
故人様の愛用品も棺に納める
またこの時、棺に副葬品を入れる儀式も合わせて行われますので、もし入れたいものがあれば事前に用意しておきましょう。故人様が愛用していたものや故人様へのお手紙、よく着ていた洋服など思い思いの品を入れていきます。
しかし、以下のようなものは入れることができません。
・燃えにくいもの(果物、分厚い本、革靴など)
・燃えないもの(時計、カメラ、金属製品など)
・燃やすと環境汚染につながるもの(プラスチック類など)
・爆発の恐れのある物 など
棺に入れてあげたいけれど、入れて良いものかどうか判断がつかない場合は、葬儀社に相談してみましょう。また、どうしても故人様のそばにおいてあげたいけれど、棺に入れることができないものは、ものによってはお墓に一緒に納めることができるかもしれません。そのような場合はお墓へ納骨する際に確認してみましょう。
③釘打ち
お花で棺を飾りつけたら、棺の蓋を閉め、4隅を釘で打ち付ける「釘打ち」の儀式を行います。あらかじめ葬儀社のスタッフが途中まで打ち込んでおいた釘を、喪主様から関係の深い順に、小槌などで2回打ち込むのが一般的ですが、あらかじめ三箇所が打ちつけてあり一箇所のみを喪主様が打ち込む場合や、すべてスタッフが行う場合などもありますので、葬儀社の指示に従いましょう。また、最近は釘打ちを省略することも増えています。もし釘打ちを希望されている場合は、事前に葬儀社にその旨を伝えておくと安心です。
④出棺
すべての儀式が執り行われたら、最後にもう一度喪主による挨拶があり、火葬場へと出棺します。出棺時は、力のある方数名で棺を持ち上げ霊柩車に運び入れます。地域によっては異なる場合もありますが、霊柩車には喪主が位牌を持って乗り、故人様とともに火葬場へ向かうのが一般的です。そのほかのご家族様・ご親族様らは、別途車やタクシー、貸切バスなどで火葬場へと向かいます。ちなみに火葬場へ向かうのは喪主・ご家族様・ご親族様・特に親しいご友人のみとなるため、一般参列者の方々はここでお別れとなります。
⑤納めの儀・火葬
火葬場に到着したら、僧侶が読経を行い、故人様と最後のお別れとなる「納めの儀」を行います。その後火葬が執り行われます。火葬には1時間〜2時間かかるので、その間は控え室でお食事やお茶菓子をとるなどし、故人様の思い出話をしながら待つのが一般的です。
⑥収骨
火葬が終わると、収骨室へ移動し、一つの焼骨を二人一組になって箸で掴んで骨壷へ収める「お骨上げ」を行います。この儀式は、故人様が三途の川を渡る際の橋渡しをする意味が込められているといわれています。
出棺時のマナー・注意点
出棺〜火葬・収骨までの流れをご理解いただいたところで、次はマナーや注意点をお伝えしたいと思います。
霊柩車が見えなくなるまで合掌・一礼
故人様を乗せた霊柩車を見送る際、参列者は霊柩車が見えなくなるまで合掌・一礼するのがマナーです。また霊柩車が見えなくなったからといって、すぐにおしゃべりをするのもマナー違反とされています。
出棺時には数珠を持参
合掌・一礼の際には、数珠を用いますので、待機している間から左手にかけておきましょう。
出棺のお見送り時にはジャケットを着用
出棺は葬儀・告別式の後に行われるため、喪服での参列となります。出棺の際のお見送りは屋外で行われるため、夏の暑い日ですとどうしてもジャケットを脱ぎたくなってしまうかもしれません。しかし、お見送りの間はジャケットを着用するのがマナーです。待機中は脱いでいたとしても、実際にお見送りをする際には着用するようにしましょう。
また反対に冬場の屋外でのお見送りでは、コートを着用したいと思われるかもしれませんが、その場合も待機中以外はコートは脱ぐのが望ましいとされています。
雨天時に傘はOKだが色柄に注意
お見送りの際、雨天時に傘をさすことはマナー違反にはあたりません。ただし派手な色柄の傘は避けるのがマナーです。なるべく黒や紺の無地のものを選ぶようにしましょう。
火葬場への同行依頼は事前に
もし、ご家族様・ご親族様以外に親しかったご友人などへ火葬場へ同行してもらいたい場合は、当日では失礼ですので、必ず事前にお伝えし、ご予定を空けておいてもらいましょう。
ちなみに、ご家族様から同行を依頼された場合は、可能な限りお断りしないのがマナーですが、どうしてもはずせない用事がある場合などは、失礼のないよう丁重にお断りしましょう。
地域特有の風習がないか事前に確認する
ここでご紹介した流れは、一般的な出棺時の流れです。葬儀の慣習は地域によっても違いがあります。たとえば釘打ちのやり方や、霊柩車に誰が乗るか、またそもそも火葬を先に済ませてから葬儀・告別式を執り行う地域などもあります。ご自身の地域の葬儀の慣習で迷った場合は、必ず信頼できる近所の方や親族の年長者に相談しましょう。
マナーを守って、心残りのないお別れを
ここまで出棺時の流れやマナーを解説してきましたが、いかがだったでしょうか。出棺は、故人様のお体に触れ、お顔を見ることのできる最後の儀式です。当日慌てることなく心穏やかな気持ちでお見送りができるよう、事前に流れを知っておくことはとても大切なことです。またマナーを知らないが故に、失礼をしてしまわないよう、特にお見送り時のマナーについては、事前にきちんと把握しておくと安心です。
何かわからないことがあれば、まずは葬儀社のスタッフに相談してみてください。
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