昨今、高齢者層の貧困化や、パートナーとの死別、熟年離婚などが原因となり、孤独死を遂げる方が増えています。頼れる人が周りにがいないことから、病院に行けず病気を放置してしまうケースも少なくないようです。また近所付き合いの希薄化から、そのような状況に気づく人がいないことも孤独死が増加する原因の一つです。
このように今や社会問題ともいえる孤独死ですが、身寄りのない方がお亡くなりになった場合、葬儀や火葬はどうなるのでしょうか。
今回は、孤独死の場合の葬儀や火葬、火葬後のご遺骨はどうなるか、などについて詳しく解説します。孤独死を避けるために今からできる対策についてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
目次
孤独死とは
誰にも看取られることなく一人で死亡し、死後に発見されるケースを孤独死といいます。一人暮らしの高齢者に多いとされていますが、近年は、家族から離れて遠方で一人暮らしをする若年層の孤独死も増加傾向にあるようです。
孤独死はどのように発見されるか
孤独死が発見されるケースとして多いのは、偶然ご自宅を訪問した第三者が気づくケースや、ご遺体が腐敗していく過程で異臭に気づいた近所の方が通報するケースなどです。
孤独死を発見した場合の対応方法
もし孤独死を発見した場合は、救急車(119番)もしくは警察(110番)に連絡します。
お身体から腐敗臭がするなど完全にお亡くなりになられているとわかる場合は警察を呼びますが、多くの場合はまず救急車を呼びます。
またいずれにしても、周りのものには極力手を触れず、発見時の状態を保っておくことが大切です。そのため、発見された方のお身体にも触れずにいることが大切です。
通報後の流れ(検視・検案・解剖)
救急隊員が死亡を確認した場合、警察を呼び、死体の検視が行われます。検視では死亡の原因が事件によるものなのか、自然死なのかを判断します。この判断が下るまでは、現場に警察以外の人は立ち入れない状態になります。
検視の結果、事件性が確認された場合はそのまま解剖へ進み、事件性がないと判断された場合は、医師が死因や死亡時刻の判断をする検案が行われ、最終的に「死体検案書」が発行されます。
ご遺族への連絡
もし第一発見者が大家さんなどご遺族以外の第三者だった場合は、現場検証で見つかった遺留品の中から連絡先などを特定し、警察からご遺族へ連絡が入ります。うまく連絡がつけば警察がご遺族にご遺体と死体検案書を引き渡し、その後はご遺族が葬儀・火葬を執り行う流れになります。そのためこの時点でご遺族は、ご遺体の安置場所や葬儀社を決める必要が出てきます。
孤独死の場合の葬儀・火葬
孤独死の場合、葬儀や火葬はどのように行われるのでしょうか。ここでは、ご遺族がいてご遺体の引き取りを承諾された場合と、ご遺族がいてもご遺体の引き取りを拒否されたり、完全に身元不明の場合など引き取り手がいない場合とに分けて、孤独死の葬儀・火葬についてお伝えしたいと思います。
引き取り手がいない場合
身寄りがないご遺体や、ご遺族によって引き取りを拒否されたご遺体は、「行旅病人及行旅死亡人取扱法」という法律に基づいて発見場所の自治体が火葬を執り行います。行旅死亡人とは旅先で行き倒れた人を表す言葉ですが、ご自宅で突発的な疾病などで亡くなられる孤独死も、行旅死亡人として取り扱われます。そのため引き取り手のいない孤独死のご遺体は、ご自宅の住所がある自治体に引き渡され火葬されることになります。またそれに伴い遺品も自治体が管理することになります。
|火葬後のご遺骨はどうなる?|
火葬後のご遺骨は、各自治体で定められた期間(多くは5年程度)保管されたのち、無縁塚(むえんづか)」に埋葬されます。無縁塚には、縁者のいないご遺骨がまとめて埋葬されているため、一度埋葬されたご遺骨は故人の特定をすることが難しく、後から取り出すことはできなくなってしまいます。
ご遺族がご遺体を引き取られた場合
ご遺体を引き取るご遺族がいて、引き取りを拒否されない場合は、ご遺族が警察からご遺体と死体検案書を引き取ります。孤独死の場合ご遺体はそのまま現地で火葬され、ご遺骨の状態で帰郷することが多いです。
|なぜ、現地で火葬されることが多いの?|
中にはご遺体が腐敗が進んでいるためすぐにでも火葬が必要になるケースもありますが、そうでなくてもご遺体のまま霊柩車でお運びするには費用が高くついてしまうことや、住民登録のある火葬場の方が火葬費用を安く抑えることができることなど、費用面の理由から現地で火葬されることが多いようです。
ちなみにこの場合の葬儀費用は、一般的な葬儀と同様喪主が負担することになります。
【葬祭扶助制度を利用できる場合がある】
亡くなった方が経済的に困窮している場合や、扶養義務者がおらず遺族以外の人が葬儀を手配する場合など、決められた条件を満たせば、自治体から補助を受けることができます。葬祭扶助制度や福祉葬についてはこちらの記事も参考にしてください。
【葬儀以外にご遺族がするべきこと】
また葬儀以外にも遺品整理や死亡後の電気・ガス・水道・携帯料等の解約手続きなど、事後手続きなどもご遺族が行うことになります。故人様の住んでいたご自宅の事後処理もその一つです。特に発見が遅れてご遺体が腐敗していた場合などには、特殊な清掃が必要になることもあります。特殊清掃の詳細は次章でお伝えします。
孤独死の場合、住居の特殊清掃が必要なことも
発見までに時間を要してしまった孤独死では、ご遺体の腐敗などに伴い、住居の特殊清掃が必要になる場合があります。もし賃貸住宅だった場合は、現状回復するまで家賃がかかってしまいますし、そうでなくても異臭等でご近所に迷惑をかけてしまうことが考えられるため、特殊清掃は早めに手配することをおすすめします。ちなみに特殊清掃の金額は、部屋を丸ごと清掃する場合で、最低でも10万円は超える額になるでしょう。
孤独死を防ぐために今からできること
最後に、孤独死にならないために今からやっておきたいことをお伝えします。
人とのコミュ二ケーションを心がける
孤独死を引き起こす原因の一つに、周囲とのコミュニケーションの希薄化があります。普段から、近所の方やご友人、親戚関係など、周囲とのコミュニケーションを心がけるだけで、いざというときに気づいてもらえる可能性が高くなります。孤独死の場合、急に病気になっても誰にも気づかれずそのまま亡くなってしまうケースも多く、何かあったときに身近に頼れる人がいるだけで孤独死にならずに済む可能性は高くなると言えるでしょう。
訪問サービスを利用する
自宅に訪問に来てもらえる訪問サービスを利用するのも一つです。定期的に自宅に来てくれる人がいれば、ちょっとした変化にも気づいてもらいやすくなり、何かあった時の助けになってくれるかもしれません。
民生委員を利用する
各自治体には、厚生労働大臣から委嘱された民生委員がいます。民生委員は、核家族化が進む現代において、地域住民の立場から福祉全般の相談・援助活動を行ってくれる存在です。高齢者などが孤立し、必要な支援を受けられないケースに対しても、専門機関に繋ぐサポートを行ってくれますのでぜひ活用してみてください。民生委員に相談したいときは、お住まいの市区町村に問い合わせると繋いでもらえます。
葬儀社に事前相談をしておく
終活が普及する現代においては、葬儀社と生前契約をしておくという人も増えています。生前相談をすることで、事前に葬儀の内容を細かく決めることができるだけでなく、周囲に費用や手間をかけずに葬儀を執り行うことができるようになります。葬儀社との相談で決めたことや契約内容などは、エンディングノートに書いておけば安心です。エンディングノートの書き方については、以下の記事も参考にしてください。
他人事ではない孤独死問題。一人ひとりの心がけが大切です
いかがだったでしょうか。ここまで、孤独死の場合の葬儀や火葬はどうなるの?という疑問について、発見時の流れやご遺族の対応、今からできる対策という3つの視点で解説してきました。核家族化が進む現代において、今や孤独死は高齢者層に限らず単身で生活するあらゆる世代の問題として深刻化しています。誰もが最後に経験する死について考え、そのための準備をしておくことは、今をより良く生きるためにも大切なことなのかもしれません。
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