生活保護を受給している方が葬儀を行うことになった場合に、自治体から葬儀費用が支給される葬祭扶助制度というものがあります。
今回はその補助金制度を利用した自己負担0円で行える「福祉葬」の適用条件や申請方法、葬儀の内容や流れなどをわかりやすく解説します。
目次
福祉葬とは
経済的に困窮し葬儀費用を払えない場合でも、「葬祭扶助制度」という補助金制度を利用して、ご家族様の費用負担なく執り行える葬儀のことを「福祉葬」といいます。(「生活保護葬」「民生葬」と呼ぶ場合もあります。)
葬祭扶助が適用されると、病院へのご遺体のお迎えから搬送〜安置〜火葬〜納骨まですべての費用をご家族様のご負担なく執り行うことができます。ただし、一般的な葬儀ではなく、お通夜・葬儀・告別式といった宗教儀式を行わない火葬のみの「火葬式・直葬」となります。
葬祭扶助の金額
葬祭扶助の支給金額には上限がありますが、故人様が大人の場合は約20万円、12歳未満の場合は約16万円となります。ただし自治体によって支給費用が異なる場合があるため、気になる方は、一度お住まいの市区町村の窓口またはホームページからご確認ください。
福祉葬の内容
支給対象となるのは以下のような項目です。火葬のみの必要最小限の葬儀となるため、別途僧侶を手配して読経をしてもらいたいなどのご希望があっても、宗教儀式に関わる費用は支給対象として認められていませんのでご注意ください。
【支給対象となる項目】
・死亡診断書(死体検案書)の発行費用
・ご遺体の搬送費
・枕飾り一式
・お別れ用の花束
・仏衣一式
・棺用布団
・ご遺体の保管関連費用(ドライアイスなど)
・棺や白木位牌などの費用
・火葬費用
・骨壺などへの納骨費用 ※お墓への納骨費用ではありません
福祉葬が認められる条件と認められないケース
福祉葬を執り行うための葬祭扶助制度を利用するには、故人様に支払い能力がないこと、また、ご親族様がいる場合はそのご親族様も生活に困窮し葬儀費用を捻出することができない状況にあることが条件となります。
葬祭扶助の支給を認められるための条件や、適用されないケースをいくつかご紹介します。
葬祭扶助が認められる条件
葬祭扶助は以下のいずれかに当てはまる場合に適用されます。
【故人様が生活保護受給者かつ身寄りの方がいない】
故人様が身寄りのない単身者であり、葬儀費用に充当できる遺留品もなく、生活保護を受給している場合に適用されます。
【喪主様が生活保護受給者】
葬儀を執り行う人が葬儀費用の支払いができない場合に適用されます。
葬祭扶助が適用されないケース
喪主様や故人様が生活保護を受給していても、葬祭扶助が認められないケースもあります。
【故人様に預貯金がある】
故人様が生活保護を受給していても、葬儀費用を支払えるだけの預貯金などがあった場合には適用外となります。ただし、葬儀費用の全額までは支払えないという場合には、不足分のみ支給されます。
【葬儀費用を支払えるご親族様がいる】
扶養義務者であるご親族様の中に葬儀費用を支払える経済状況の方がいれば、支給は認められません。故人様が生活保護を受けていたということだけでは対象にならないので注意が必要です。
【支給額以上の葬儀をしたい場合】
火葬費用は葬祭扶助の支給分でまかない、たまにお通夜や告別式などの葬儀費用は自分たちで追加で支払いをしたいという方がいらっしゃいますが、このようなケースの申請は認められません。なぜなら、お通夜や告別式に出せる費用があるのであれば、火葬に充てられる経済力があると判断されるためです。
福祉葬の流れ
続いて、福祉葬を行う際の具体的な流れについて解説します。
1. ご臨終
臨終を迎えたら、医師に死亡診断書を作成してもらい、福祉事務所の担当者や葬儀社に連絡し、福祉葬を希望している旨を伝えましょう。
2. お迎え・安置
病院や施設などで亡くなった場合、火葬までの間ご遺体を安置しておく安置施設へ搬送してもらう必要があります。
また福祉葬では火葬のみを行いますが、日本ではお亡くなりになってから24時間は火葬ができないと法律で決められているため、火葬を行うまでに最低でも一日は、安置施設で安置しておく必要があります。
ご遺体の安置は、葬儀社の斎場にある安置施設またはご自宅などが一般的です。安置施設への搬送は葬儀社が行ってくれます。
3. 打ち合わせ
福祉事務所に確認し葬祭扶助が認められたら、火葬日時などの打ち合わせを行います。
4. 納棺・出棺
ご臨終から24時間以上が経過したら、ご遺体を棺に収めて、火葬場へ出棺となります。
5. 火葬
葬祭扶助の範囲内で、お通夜や告別式を行わない火葬式(直葬)での葬儀を執り行います。
6. 納骨
ご遺骨は、基本的にはご家族様またはご親族様が引き取り、お墓に納めたり手元供養や散骨などを行いますが、身寄りのないご遺骨に関しては各自治体で保管されます。また、葬祭扶助に含まれる納骨費用の「納骨」とは、火葬を終えた遺骨を骨壺に収めることを指しています。墓地などに納骨する費用は含まれていないので注意しましょう。
福祉葬の申請手続きについて
福祉葬を希望する場合は、必ず申請者が居住している自治体の福祉事務所に申請します。また、当然ですが、申請は火葬をする前のタイミングで行う必要があります。火葬を済ませた後に申請しても支給されませんので注意しましょう。
審査が通り、葬祭扶助が適用されることが確認できたら、葬儀社と打ち合わせをします。なお、葬儀社へ依頼する段階で、「福祉葬を希望する」ということを伝えておくとスムーズです。また葬祭扶助の申請は葬儀社に委任することもできますので、手続きに不安のある方は相談してみましょう。
葬儀が終了したら、葬儀社から福祉事務所へ葬儀費の請求書が提出され、葬儀社へ直接費用が支払われます。喪主様を介すことは原則ありません。
福祉葬のよくある質問
香典は受け取れる?
福祉葬であっても、香典は受け取れます。生活保護を受給している方は、収入が発生すると役所への申請や報告をしなければなりませんが、香典は収入として扱われません。また、香典の用途は葬儀費用に限定されませんので、故人様のためやご家族様のためにお使いいただいて差し支えありません。
なお、香典返しの費用は葬祭扶助の適用対象とはならず自己負担となるため注意してください。
服装は何を着ていけばよい?
福祉葬においても、服装は一般的な葬儀と同様に喪服を着用することが望ましいとされています。ただし、喪服を持っていない場合や、購入する費用がない場合は、黒のスーツやワンピース、アンサンブルなどでも問題ありません。なるべく地味な装いを心がけましょう。
福祉葬で費用の心配のないお見送り
今回は福祉葬について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
もしご葬儀を執り行う方が経済的に難しい状況にあった場合でも、行政が費用負担をしてくれる葬祭扶助制度を利用すれば葬儀を執り行うことができます。ただしその場合、一般的なお通夜・告別式を伴うご葬儀ではなく火葬場でお見送りをする必要最低限の内容になるためご注意ください。
また、対象となる方は生活保護受給者であることに加え、ご親族にも経済的な負担ができる方がいらっしゃらない場合という条件が設けられていますので、ご自身が条件に当てはまるかどうかを事前に確認してから申請しましょう。
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