
親御さんの葬儀について話すとき、「元気なうちから葬儀の話をするなんて縁起でもない」「死後の話をするなんて不謹慎だ」と感じる人も多いのではないでしょうか。
しかし、いざという時が来たら「本人の希望を聞いておけばよかった」と後悔するケースは決して少なくありません。
また、病気や認知症で正常な判断ができなくなってからでは遅いことも多いので、元気なうちに家族会議の場を持っておくことはとても大切なことです。
そこで今回は、「親のエンディングについて、自然な形で希望を聞くための家族会議はどう進めればよいか」について考えてみたいと思います。「どこまで希望を聞くべき?」「どう切り出せばいい?」など、聞く内容や聞き方のコツもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
目次
元気なうちに、家族会議をしておくべき理由
最初は、なぜ元気なうちに家族会議をしておいた方がよいのかについてです。
本人の希望を聞けるのは元気な「今」だけだから
亡くなってからの話は、体調が悪くなってしまってからでは、余計に聞きにくくなってしまいます。また、ご本人も気を遣って本音が言いにくくなってしまうかもしれません。元気なうちであれば、冗談交じりで話すこともできます。軽い感じで話を切り出してみましょう。
いざという時、家族が迷わず選択できるから
いざ葬儀となると、思ったよりも時間が少なく、判断を急がされる場面が多くなります。
また、精神的にも余裕がないため、後々、「どうするのが正しかったんだろう」と悩むことも少なくありません。
事前に本人の希望を少しでも聞いておくことで、判断基準ができ、家族間の意見の衝突なども減らすことができます。
「聞いておけばよかった」という後悔は引きずりやすいから
葬儀後の後悔で一番多いのが「本当にこれでよかったんだろうか」と思い悩むことです。完璧な希望を聞くことはできなくても、「あの時こんなことを言っていたな」という記憶があることが、家族の心の支えになります。
死後の準備は、よりよく生きるための準備だから
終活は、残りの人生をよりよく生きるために行うものです。
亡くなった後の話をすることに抵抗がある方も多いと思いますが、話を重ねることで、親御さんがこれまで大切にしてきた価値観や人との関わり方、そして「自分らしい人生の締めくくり」とは何かを、家族が知るきっかけにもなります。
家族会議をする際の注意点
次に、家族会議の場を設ける際に、注意しておきたいことをお伝えします。
一度で全部決めようとしない
家族会議は、結論を出すことが目的ではありません。親御さんらしさの一端を知れるだけでも意味があることです。たとえ、話が途中で終わってしまっても、話すことに意味があるため、結論を出すことを目的にしないように注意しましょう。
質問攻めにしない
「葬儀は?形式は?お金は?お墓は?」と質問攻めにしてしまうと取り調べのように感じてしまい、リラックスして話すことができなくなってしまいます。
「もしものとき、どんな雰囲気がいいと思う?」 といったように、相手の気持ちを引き出す聞き方を心がけましょう。
費用や段取りよりも「気持ち」や「価値観」の話をする
最初から金額や見積もりなど、実務の話をしてしまうと重たくなってしまうため、家族会議は詳細を決めるのではなく、気持ちや価値観を共有することを目的に行うことをおすすめします。
否定は避ける
親御さんの希望が、自分の思っている考えと違ったとしても、否定はせずに「そう考えているんだね」というように、まずは受け止めるようにしましょう。家族会議は、誰が正しいかを決める場ではありません。価値観の違いが露呈しても、その場で意見をぶつけ合うことは避けることが大切です。
本人が話したくないのであれば深追いしない
あくまで親御さんの気持ちを優先し、話したくなさそうにしている場合は、無理に聞かないことも大事な選択です。
「気持ちは変わるもの」と認識しておく
その時に聞いた希望は、その時点の希望であるため、それが「正解」だと固定してしまうことは避けるようにしましょう。
あくまで目安や方向性として受け止め、常日頃から話し合える関係性を保っておくことが大切です。
決めたことはメモに残しておく
話し合いの時点で決まったことがあれば、メモやエンディングノートなどに残しておくと安心です。簡単にでもメモを残しておくことで、記憶違いや家族間での認識違いを防ぐことができます。ただし、状況の変化で本人の気持ちが変わることもあるため、「あの時こう言っていたから」と決めつけない姿勢を持っておくことも大切です。
専門知識が必要な場合は葬儀社に相談する
葬儀の種類や費用については、わからないことも多いと思います。
また、必要な費用の目星をつけておきたいという場合は、葬儀社の事前相談を活用するのがおすすめです。同じ葬儀形式でも、葬儀社によって費用やサービス内容が異なるため、時間に余裕がある時に、複数の葬儀社に相談してみましょう。そうすることで、葬儀についての知識が増え、葬儀社との関係性も築くことができるため、いざという時の安心感につながります。
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親の葬儀、生前にどこまで聞くべき?
親御さんの葬儀について、どこまで生前に確認しておくべきかについて迷われる方も多いと思いますが、基本的には、すべてを完璧に決めておく必要はありません。「最低限聞いておきたいこと」と「余裕があれば聞いておきたいこと」に分けて、聞ける時に、聞ける範囲で聞くというスタンスで進めていければ大丈夫です。
最低限聞いておきたいこと
以下は、なるべく優先的に聞いておけるとよいことです。
【誰に知らせたいか/知らせなくていいか】
もしものことがあった時に、「病室に呼んで欲しい人はいるか」、また、「誰を葬儀に呼んで欲しいか/欲しくないか」は、確認しておけると安心です。いざという時のために、エンディングノートを作成し、連絡先一覧をまとめておくなど、連絡先の管理方法も確認しておけるとよいでしょう。
【宗教・宗派(菩提寺があるか)】
葬儀の際には、菩提寺(先祖代々お付き合いのあるお寺)に読経や戒名授与を依頼することになります。また、宗旨宗派によっても葬儀の作法が変わります。そのため、「そもそも菩提寺があるのか」、「宗旨宗派は何か」については、事前に確認しておいた方がよいでしょう。菩提寺があるのであれば、名称や所在地、連絡先をメモしておくと安心です。
【葬儀の規模感の希望】
葬儀の規模は、葬儀費用の考え方にもつながります。「大勢で見送ってほしい」「身内だけのアットホームな会にしたい」など、規模感の希望を聞いておくことで、いざという時に葬儀形式を考える際の判断材料になります。
余裕があれば聞いておきたいこと
続いて、余裕があれば聞いておくと安心なこともご紹介します。
【葬儀形式の希望】
葬儀の規模感の話とあわせて、余裕があれば「どんな形で見送られたいか」という方向性を聞いてみるのも一つです。
たとえば「多くの人に集まってほしいのか」「身内だけで静かに見送ってほしいのか」といったイメージは、結果として、「一般葬」や「家族葬」、お通夜を省いた「一日葬」、火葬のみを行う「直葬・火葬式」など、いくつかの選択肢につながります。
もちろん、葬儀の形は状況や時代によっても変わるものなので、この段階で形式を決め切る必要はありません。費用についても、具体的な金額を決めるより、「派手にしなくていい」「無理のない範囲で」など、考え方の方向性を知っておくことが大切です。
【式の内容に関するこだわり】
「こんな音楽をかけてほしい」「花は〇〇を飾ってほしい」「遺影写真はこの写真にしてほしい」など、葬儀の内容に関わる希望があれば聞いておけるとよいでしょう。ただし、あくまでもおおまかな希望を聞くにとどめ、細部の演出まで詰めることは避けるようにしましょう。
【最期の時間の過ごし方】
「家族に囲まれて過ごしたい」「一人ひとり、顔を見てお別れをしたい」「いつも通り明るく見守っていてほしい」など、最期の時間の過ごし方の希望も聞いておけるとよいでしょう。
「どうして欲しい?」と聞くよりも「最期の時間って、静かな方がいいと思う?」など、相手が答えやすい聞き方を心がけるようにしましょう。
元気なうちにできることから進めよう
親御さんの葬儀について話すことは、決して縁起の悪いことではありません。
元気なうちに少し話しておくだけで、いざという時の家族の迷いや後悔を大きく減らすことにつながります。
もちろんすべてを決める必要はなく、「どんな気持ちで見送られたいか」という方向性を共有しておくだけでも十分です。普段の何気ない会話の中から、親御さんのお気持ちを聞いてみてはいかがですか。そして、そのような会話の積み重ねが、親御さんにとってもご家族にとっても、納得のいくお別れにつながっていくのだと思います。
話し合いの過程で、葬儀のことでわからないことが出てきた際には、葬儀社の事前相談を活用するのもおすすめです。
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