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2025.12.18

火葬のみでも後飾りは必要?自宅に祭壇を設けるべきかの判断ポイントを解説 

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火葬のみでも後飾りは必要?自宅に祭壇を設けるべきかの判断ポイントを解説 

後飾り祭壇とは、葬儀後、四十九日を迎えるまでの間、故人様のご遺骨をご自宅に安置するための祭壇のことをいいます。火葬のみのシンプルな葬儀を行う場合、後飾りは不要と思われるかもしれませんが、実は一概にはいえません。

今回は、「火葬式・直葬でも後飾りが必要か」について解説します。後飾り祭壇を設けるべきか迷われている方は、ぜひ参考にしてください。

火葬のみの葬儀とは

火葬のみの葬儀とは「火葬式」「直葬」と呼ばれています。

ご逝去後、法律の定める24時間の安置期間を経た後に、安置場所から直接火葬場へご遺体をお運びして火葬を執り行う、最もシンプルな葬儀形式です。お通夜や葬儀・告別式といった宗教儀式を省略し、身内のみの少人数で執り行われるため、費用も最小限に抑えることができます。

ただし、宗教儀式を省略している分、菩提寺との関係によっては、「先祖代々のお墓に納骨できない」などのトラブルに発展してしまう可能性があるため事前の確認が必要です。

後飾り祭壇とは

一般的に、火葬場から持ち帰ったご遺骨(骨壷)は、お墓へ納骨するまでの間、ご自宅に安置しておきますが、その際に必要になるのが「後飾り祭壇」です。四十九日の忌明けを迎えるまでの一時的な祭壇にはなりますが、故人を供養し、葬儀に参列できなかった方がお参りをする場にもなる大切な祭壇といえます。

火葬のみでも後飾り祭壇は必要?

後飾り祭壇は、一般的な慣習に基づいて行われているもので、仏教的な義務や法律で定められた決まりというわけではありません。ただし、火葬のみの葬儀であっても、気持ちの整理のために設けるという方も多く、後飾り祭壇が必要かどうかは、ご家族ごとの判断になります
次に、後飾り祭壇が必要な場合と不要な場合では、どのような傾向の違いがあるのかをご紹介します。

後飾り祭壇が必要になりやすいケース

以下のような場合、後飾り祭壇を用意することが多いです。

【四十九日法要を行う予定がある】 
仏教では、お亡くなりになってから四十九日までの期間を「中陰」と呼び、故人が次の世界へ向かうまでの大切な節目の時間と考えられています。この四十九日は、故人の行き先が定まる区切りとされており、その間は、遺されたご家族が手を合わせて供養を行う習慣があります。

そのため、菩提寺があって四十九日法要を行う予定で、菩提寺のお墓へ納骨する場合には、後飾り祭壇を用意するのが一般的です。

【家族や親族が手を合わせる場を必要としている】 
後飾り祭壇は、故人の供養の場であると同時に、残された人が故人を偲ぶための場でもあります。ご家族やご親族、あるいは後日弔問に訪れた方が手を合わせる場所を必要としている場合には、火葬のみの葬儀であっても用意した方がよいでしょう。

【気持ちの整理がついていない】 
火葬のみの葬儀では、儀式を省略したことが「本当に良かったのだろうか」と迷いが出てしまうこともあります。あるいは、急なお別れで心の整理がついていないという場合もあるでしょう。そのようなケースでは、後飾り祭壇を用意することが、心の支えになる場合もあります。

後飾り祭壇が不要でも問題になりにくいケース

一方、以下のような場合、後飾り祭壇の必要性は低くなります。

【宗教儀礼を行わないと決めている】
火葬式・直葬は、宗教儀礼にとらわれない葬儀の形です。そのため、「無宗教である」、あるいは「形式的な供養の必要性を感じない」など、宗教儀礼にとらわれないお別れの形を希望している場合には、必ずしも用意する必要はありません。

【火葬後すぐに納骨・散骨する】 
仏教では、四十九日の忌明けまでご遺骨を自宅で安置し、供養を行うという流れが一般的ですが、火葬式・直葬の場合は、無宗教の納骨堂や霊園を納骨先として選ぶ方も少なくないため、仏教の四十九日の考え方にとらわれず、火葬後すぐに納骨や散骨を行うケースもあるでしょう。その場合も、後飾り祭壇の必要性は低くなります。

【気持ちの整理が別の形でできている】 
「写真を自宅に飾るだけで十分」「心の中で偲んでいる」など、仏教の慣習を取り入れなくても気持ちの整理ができており、後悔する心配がない場合には、後飾り祭壇は必須ではありません。

【住環境・生活上の理由がある】 
「ワンルームで置き場がない」「小さな子どもやペットがいて安全面が心配」など、住環境や生活状況によって物理的に後飾り祭壇の設置が難しい場合もあります。そのような場合には、無理をしてまで設置する必要はありません。

後飾り祭壇は誰が準備する?

後飾り祭壇の準備は、基本的には、葬儀社が行います。一般葬や家族葬であれば葬儀社のセットプランに含まれていることがほとんどですが、火葬のみの葬儀(直葬・火葬式)は最小限のプランのため、セットに含まれていないことが多いです。そのため、葬儀社に、後飾り祭壇が含まれているか事前に確認しておくと安心です。

もしセットに含まれていなければ、葬儀社に相談してオプションとしてつけることもできますし、Amazonや楽天といったネット通販などでも購入することができます。また、費用を抑えたい場合は、自宅にある小さな台と白い布で代用も可能です。

後飾り祭壇の飾り方

仏教では、白木を用いた2〜3段の後飾り祭壇を用いることが多いです。ここでは、一般的な飾り方をお伝えしておきます。

【2段の場合】 
1段目:香炉・花立・火立・線香差・湯呑・仏飯器・おりん など
2段目:遺影・白木位牌・骨壺

【3段の場合】
1段目:香炉・花立・火立・線香差・湯呑・仏飯器・おりん など
2段目:遺影・供物
3段目:白木位牌・骨壺

ただし、宗派や地域によって飾り方が異なる場合があるため注意が必要です。
たとえば浄土真宗の場合は、遺影・位牌・ご遺骨(骨壷)を置く一段のシンプルな祭壇が基本です。もし飾り方にご不安がある場合は、地域の信頼できる方や葬儀社に確認しておくと安心です。

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火葬のみの葬儀の「後飾り祭壇」で注意すること

火葬のみの葬儀で「後飾り祭壇」について考える場合は、以下の点に注意しましょう。

葬儀プランに含まれているかを事前に確認

後飾り祭壇が直葬・火葬式のセットプランに含まれているかは、葬儀社によっても異なります。事前に確認し、含まれていない場合は、必要に応じてオプションなどで追加しましょう。オプションとして追加する場合は、数千円〜1万円台が相場となります。

「必要/不要」は後悔しないかを基準に考える

火葬のみの葬儀で後飾り祭壇を用意するかは、多くの人が迷われるポイントです。後飾り祭壇は、故人のためというよりも、残されたご遺族のために置くものという性格が強いので、最終的には自分たちにとって「どちらが後悔しない選択肢か」を基準に判断するとよいでしょう。

火葬のみの場合は、後飾り祭壇もシンプルに

葬儀が、火葬のみの最小限の葬儀なので、直葬・火葬式の場合は、後飾り祭壇も簡易的なものや最小限のものを用意するという考えで問題ありません。

火葬のみの場合「後飾り祭壇」は“必須”ではありません

火葬のみの場合、後飾り祭壇は、必ず用意しなければならないというものではありません。

「無宗教である」「宗教儀礼を行わないと決めている」、あるいは「故人を偲ぶ場は別の形で設けたい」と考える場合、祭壇を設けない選択をすることも自然なことです。一方で、短い期間でも後飾りがあることで、気持ちの整理がしやすくなるという方もいます。

大切なのは、形式ではなく「自分たちにとって必要かどうか」です。それを判断基準として選択することが、後悔のない葬儀につながるのではないでしょうか。

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