故人様のご逝去後、何年かに一度決められた年に法事が営まれますが、ご家族の中で亡くなられた方の命日が近いと、年に2回法事が重なることもあると思います。
その場合、2人分の法事を一回で済ませたいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな時に行われているのが、複数の法事をひとまとめに行う「併修(へいしゅう)」です。
今回は、「併修」のやり方、併修を行う際に注意することなどを解説します。併修の場合、お布施の額を2倍にすべきかどうかなども気になるところだと思いますので、これから併修をお考えの方は、ぜひこのコラムを参考にしてください。
目次
併修とは
仏教では、人がお亡くなりになると、その方の命日に合わせて法事・法要が営まれます。
たとえば、お亡くなりになられてから1年目の命日に営まれる「一周忌」や、2年目の命日に営まれる「三回忌」のように、毎年ではありませんが周期的に法要の機会が訪れることになります。
しかしご家族にお亡くなりになられた方が多い場合は、たとえば、お祖母様の二十三回忌とお父様の七回忌が重なるといったように、年に何回も法要を営む年が出てきます。法事・法要は準備にも時間がかかるため、重なるとご家族への負担もその分大きくなってしまいます。
そのような場合、複数の方の法事・法要をまとめて行う「併修」が選ばれることがあります。
法事と法要は同じように使われる言葉ですが、法要は仏教において僧侶による読経や参列者による焼香が行われる宗教儀式のことをいい、法事は法要後の会食を含めた行事全般のことをいうという違いがあります。法要も含めて法事といっているため同じ意味と勘違いされがちですが、実はこのような違いがあることを覚えておきましょう。
併修のルール・マナー
併修を行うためには、知っておきたいルールやマナーがあります。以下のことに注意しておけば、誰でも併修を行うことができますので、ぜひ参考にしてください。
併修ができるのは七回忌以降
一般的に、三回忌まではお亡くなりになられてから年月が浅いため、単独で法要を行うことが望ましいとされています。そのため一周忌や三回忌で併修を行うのはできれば避けたほうがいいでしょう。
一般的には七回忌から併修とすることが多いようです。ただし、地域やお寺によっても考え方は異なりますので、地域の年長者や詳しい方などに確認することをおすすめします。
違う年に営まれる法事は併修できない
時期が近いからといって、年をまたぐ法事は併修することができません。
たとえば、お祖母様の法事が12月にあり、お父様の法事が翌月の1月にある場合は、開催年が異なるため併修することはできません。このように併修はあくまで同じ年内に営まれる法事であることが条件となるため注意が必要です。
同じ年でも期間があまりにも空いている場合は避ける
またお父様の法事が1月で、お祖母様の法事が同じ年の12月という場合のように、同じ年でも期間が空き過ぎている場合は、併修に適しているとはいえません。
併修を行う場合は親族へ事前に相談する
併修は一般的に行われることではありますが、親族の中には併修に否定的な考えをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。後々のトラブルを避けるためにも、必ず事前に、併修で行う旨をはっきりと伝えておきましょう。
併修であることを案内状にも明記する
併修を行う場合は、誰と誰の法事であるかを忘れずに案内状に明記しましょう。それ以外は、通常の法事の案内状と書き方は同じです。
案内状には、日時、会場、誰と誰の法要か、会食の有無、施主の氏名と連絡先を明記し、もし服装などに指定がある、香典辞退の意向がある、という場合はその旨も明記しておきます。
併修の日程の決め方
いざ併修を行う際に、問題となるのが日程です。いつ行うべきかについては2つの考え方があります。
先にお亡くなりになった方の命日に合わせる方法
たとえば、お祖母様とお父様の法事を併修するとした場合、先にお亡くなりになられたお祖母様の命日に合わせて行う方法が一つ目の方法です。
1年のうち、先に訪れる命日に合わせる方法
もしくは、お祖母様の命日が12月で、お父様の命日が11月だった場合、先に訪れるお父様の命日に合わせて行う方法が2つ目の方法です。
どちらでもマナー違反とはなりませんので、日程は、どちらかの基準を採用して決めましょう。また法事の日程は、ご家族や僧侶のご都合も考慮する必要があるため、周囲と相談しながら決めていけるとよいでしょう。
併修でのお布施は人数分用意するの?
続いて気になるのがお布施の金額です。結論から申し上げると、2人の法事をひとまとめにしたからといって、お布施の額も2倍にする必要はありません。通常支払うべき金額の1.5倍程度割り増しすればよいといわれています。
もともと、お布施とは僧侶に対するお礼の気持ちを表したものですので、相場というものはありませんが、ある程度の目安となる金額がありますのでそちらを参考に金額を決めるとよいでしょう。
ちなみに七回忌以降のお布施は、1万円〜5万円が目安となりますので、併修の場合はこの1.5倍程度の金額をお渡しするようにしましょう。
ちなみに、お布施以外に僧侶が移動する必要がある場合は、交通費として「お車代」(5,000円〜1万円程度)、僧侶が会食に参加されない場合はお食事代として「御膳料」(5,000円〜1万円程度)も別途お渡しするのがマナーです。
お布施は2つに分ける必要はない
ちなみに、お包みする際にお祖母様の分のお布施、お父様の分のお布施というように2つに分ける必要はありません。お布施はお布施として一包みにしてお渡しします。ちなみにお車代や御膳料は、お布施とは別々に包むのがマナーです。
お布施の包み方
併修だからといって通常の法事とお布施の包み方に違いはありません。 ここではお布施の包み方や表書きの書き方など基本的なお布施のマナーについてお伝えしておきます。
お布施の包み方
半紙でお札をお包みした中袋を、さらに奉書紙(ほうしょがみ)で包む方法が正式な包み方ですが、市販の白い封筒でもよいとされています。また、地域によっては 金封・のし袋に入れることもあるようです。
市販の白い封筒を用いる場合は、郵便番号を記入する枠のないもので、二重封筒でないものを選びましょう。
またお布施に入れるお札は新札を用い、向きは肖像画がある方が上になるように包みます。
表書きの書き方
基本的に縦書きで書くのがマナーです。 封筒の表には中央上部に「お布施」または「御布施」と書き、その下に施主の氏名を書きます。市販の白封筒に直接お札を入れた場合はこれだけでよいのですが、もしお札を包む中袋を用いた場合は、中袋の表中央に大きく金額を書き、裏面左下部に住所と氏名を書きます。
(もし市販の御布施用の袋を用いて、その袋の表封筒に住所や金額などを書く欄が設けられていれば、書いても問題はありません。)
ちなみにお布施に用いる数字は、香典などと同様に大字を用いるのがマナーです。
例)金 壱萬円 / 金 参萬円 / 金 弍拾萬
また、金額の最後に「也」をつける方もいらっしゃいますが、基本的にはつける必要はありません。
お布施の渡し方のマナー
お布施は袱紗に包んで持ち歩きます。僧侶にお渡しする際に袱紗から取り出し、切手盆といわれるお盆にのせてお渡しします。もし切手盆がなければ、袱紗にのせてお渡ししてもよいでしょう。その時、正面を僧侶に向けてお渡しするようにしましょう。お車代や御膳料がある場合は、お布施の下に重ねて一緒にお渡しします。
ちなみにお布施をお渡しするタイミングは、法要前の打ち合わせのタイミングか、法要後のタイミング、もしくは会食後がよいでしょう。
お布施をお渡しする際は、ひとこと挨拶を添えてお渡ししましょう。
法要前:この度はお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。
法要後:本日は無事法要を執り行うことができました。ありがとうございました。
会食後:本日はありがとうございました。お布施をお納めください。
ご家族の負担軽減につながる併修は、マナーを守って行いましょう
ここまで、併修の日程の決め方やお布施のマナーなどをお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。併修は、お布施の金額や日程の決め方に注意すれば、基本的には通常の法事と同じです。
「一年に法事が複数回あって大変」という方は、ぜひご家族やご親族にご相談の上、併修を考えてみてはいかがでしょうか。
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