
「もしもの時の希望を家族に残しておきたい」と考える場合、その方法の一つにエンディングノートがあります。
エンディングノートは、葬儀やお墓の希望、相続の希望、家族への想いなどさまざまな希望や遺志を記録し、家族へ遺すことができます。
たとえば家族葬を希望している場合でも、その希望をご家族が知らなければ、希望に沿った葬儀が実現できる保証はありません。
しかしエンディングノートに書いておくことで、ご家族が本人の意向を確認する際に参考にしてもらうことができます。
そこで今回は、エンディングノートに家族葬の希望を残しておく際のポイントについて解説します。
この記事でわかること
エンディングノートとは何か
家族葬の希望として書く項目
書くときに気をつけたい点
家族葬の希望を書いた記入例
エンディングノートとは
エンディングノートとは、自分にもしものことがあったときに備えて、家族に伝えたいことを書き残しておくノートのことです。書き方や書く内容に決まりはないため、自由な形式で書くことができます。
エンディングノートに書いておく内容
エンディングノートには、介護や延命治療の希望から葬儀・お墓・相続の希望など、普段は話しにくいものの、家族に伝えておきたいことや大切なことを書き留めておくことができます。
具体的には、次のような内容が挙げられます。もちろんすべてを書かなくてはいけないということではありません。自分にとって必要な内容から、少しずつ書いていきましょう。
【エンディングノートに書く内容 例】
・自分の基本情報
・家族・親族・友人の連絡先
・医療・介護についての希望
・財産・貴重品の情報
・葬儀・お墓の希望
・デジタル遺産の情報
・家族へのメッセージ
エンディングノートと遺言書の違い
実は、エンディングノートには、遺言書のような法的効力はありません。あくまで、遺されたご家族が、本人の遺志を確認し、その後の手続きや判断をする際の参考になるものです。
一方、遺言書は、法律で定められた方式に従って作成することで、相続などについて法的な効力を持たせることができます。そのため、相続について必ず実現したい希望がある場合には、法律で定められた形式の遺言書を作成しておく必要があります。
家族葬を希望する場合、エンディングノートに何を書けばいい?
ここでは、家族葬を希望している場合、エンディングノートに記しておくべき内容についてご紹介します。
葬儀形式・規模
まず伝えたいのは、葬儀の形式と規模感についてです。
葬儀形式は「家族葬」でも、同居のご家族数名のごく少人数の家族葬もあれば、親族や親しい友人まで含めて比較的大人数の家族葬もあり、規模感はさまざまです。
そのため、「できるだけ少人数の葬儀にしたい」といった希望に加え、参列者をどこまでの範囲にするかについても触れておくことで、ご家族が「誰を呼べばよいか」で迷う必要がなくなります。
また、葬儀は宗旨・宗派によっても作法が異なります。葬儀を行う際の宗教形式についても書いておくと安心です。
葬儀を知らせてほしい人・ほしくない人
葬儀に誰を呼ぶかだけでなく、「訃報を知らせてほしい人」についても触れておけるとよいでしょう。
「葬儀は家族・親族だけで行うけれど、親しい友人には亡くなったことだけ知らせてほしい」などのように、「この人には訃報を伝えてほしい」という方がいれば、エンディングノートに名前と連絡先を記しておきましょう。
葬儀社や葬儀を行う場所の希望
すでに事前相談などで葬儀社を決めている場合は、次のことを書いておきましょう。
・葬儀社名
・希望する葬儀会場
・担当者
・事前相談の内容
・会員制度などへの加入状況
もし、まだ相談や契約はしていない段階でも、この葬儀社にお願いしたいという希望があれば、連絡先を書いておくとよいでしょう。
葬儀費用についての希望
葬儀費用はケースによってもかわるため、具体的な金額を遺しておくというよりは、「できるだけ費用をかけないでほしい」「最期だから盛大に送り出してほしい」など、葬儀費用に対する考え方を書いておくとよいでしょう。
もし、「〇〇万円まで」など具体的な金額を書く場合は、現在の物価と異なる場合があることも想定しておくことが大切です。
香典・供花・供物・弔電について
家族葬では、香典や供花・供物等を辞退するケースも少なくありません。「香典だけを辞退したい」「供花・供物を辞退したい」「香典・供花・供物・弔電のすべてを辞退したい」など、希望があれば具体的に書いておきましょう。
音楽などの演出について
家族葬は、身内中心のアットホームな葬儀のため、一般葬に比べて自由度が高い傾向にあります。
そのため、「BGMにこの曲をかけてほしい」「祭壇の花はこの花がいい」といった希望も実現しやすいです。
もし葬儀の演出について、具体的な希望があれば書いておきましょう。細かく希望を伝えておくことで、ご家族が本人らしい葬儀を実現しやすくなります。
遺影・そのほかの細かい希望について
事前に撮影した遺影がある場合や、この写真を遺影に使ってほしいという希望がある場合も、エンディングノートに希望を書いておきましょう。
遺影写真は、写真データをUSBメモリなどに保存し、エンディングノートと一緒に保管するなど、後で家族がデータがどこにあるかわかるようにしておく必要があります。
また、葬儀の際に、棺に一緒に入れてほしいものがあれば、それも書いておけるとよいでしょう。
エンディングノートを書くときのポイント
エンディングノートを書くときは、次のポイントを押さえておくと安心です。
家族葬を希望する理由も書いておく
ただ「家族葬を希望する」とだけ書くのではなく、「なぜ家族葬を希望するのか」という理由まで書いておくと、ご家族が本人の想いまで理解しやすくなります。
「最期は、大切な家族に、穏やかな気持ちで見送ってもらいたいから」
「家族に参列者への気遣いなどの負担をかけたくないから」
など、家族葬を希望する理由を、自由に書いてみましょう。
葬儀の希望はできるだけ具体的に書く
葬儀の希望は、できるだけ具体的に書いた方が、家族が判断に迷うことが少なくなります。
・誰に知らせてほしいか
・葬儀の規模
・宗旨・宗派
・香典や供花・供物・弔電を辞退するか
・葬儀社の希望
・遺影や音楽の希望
など、細かい希望まで伝えられるとよいでしょう。
家族にエンディングノートの存在を伝えておく
エンディングノートに書いても、もしもの時に、家族が見つけられなければ意味がありません。そのため家族には、エンディングノートの存在を伝えておきましょう。また、いざという時にすぐに見つけられるよう、保管場所についても合わせて伝えておくことが大切です。
定期的に内容を見返す
エンディングノートは一度書いたら終わりではなく、定期的に内容を見返すことも大切です。
「あの時はこう思っていたけど、今はこう思う」といった心境の変化があれば、その都度、更新していきましょう。
法的効力がないことを知っておく
エンディングノートは、あくまで希望を伝えるためのノートです。そのため、遺言書のように法的効力はありません。そのことを理解した上で書き進めていくことが大切です。
家族葬の希望を書いたエンディングノートの例
最後に、家族葬の希望を書いたエンディングノートの一例をご紹介します。
【葬儀について】
私が亡くなったときは、家族や親しい親族を中心とした家族葬を希望します。
葬儀には、〇〇、〇〇、〇〇には参列してもらいたいと思っています。友人や知人については、葬儀への参列をお願いする必要はありませんが、亡くなったことは知らせてください。
また、葬儀では、私が好きだった〇〇という曲を流してもらえたらうれしいです。
香典や供花・供物については、家族の負担にならないよう、無理のない形で対応してください。
遺影には、〇年〇月に撮影した写真を使ってほしいです。写真データはUSBメモリに保存し、このノートと一緒に保管しています。
葬儀についてわからないことがあれば、〇〇葬儀社に相談してください。連絡先は下記の通りです。
〇〇葬儀社
電話番号:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
住所:〇〇〇〇〇〇
担当者:〇〇〇さん
大きな葬儀にする必要はありません。家族でゆっくりと見送ってもらえれば充分です。
また、菩提寺は〇〇寺です。葬儀については、まず〇〇寺に相談してください。
連絡先:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
宗派:〇〇宗
いざという時に家族が迷わないため、エンディングノートを書いておこう
エンディングノートは、もしもの時に自分の希望を家族に伝えるための大切なノートです。
家族葬を希望している場合は、葬儀の形式や規模だけでなく、参列してほしい人や訃報を知らせてほしい人、菩提寺や葬儀社の情報、香典・供花・供物、遺影や音楽など、具体的な希望を書いておくと、家族が葬儀について判断する際の参考になります。
もちろん、一度にすべてを書き終える必要はありません。まずは家族葬についての希望など、特に伝えておきたいことから少しずつ書き始めてみましょう。
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