ご葬儀といえば、以前は大人数でおこなう一般葬がスタンダードでした。
しかし最近は、新型コロナウィルスの影響やさまざまな社会背景の変化から、少人数の家族葬を選ばれる方が増えています。
家族葬は従来のお葬式に比べ、費用を安く抑えることができるメリットがあります。
とはいえ人数に比例して安くなるというわけではないので注意が必要です。
今回は、「家族葬を検討しているけど、どのくらいの予算をみておけばいい?」という方のために、家族葬の費用相場や内訳、さらに費用負担を抑えるためのポイントなどを解説したいと思います。
葬儀費用の内訳
家族葬の費用を知るためは、まずは葬儀費用の仕組みについて知る必要があります。
一般葬・家族葬などのスタイルにかかわらず、どんな葬儀でも、葬儀費用の合計は以下の3つの費用を合わせた金額になります。
①葬儀そのものにかかる費用(葬儀費用一式)
②必要に応じてオプションで発生する費用(飲食接待費・返礼費)
③宗教者への謝礼
次に、それぞれの費用についてご説明したいと思います。
①葬儀費用一式とは
葬儀そのものにかかる費用を「葬儀費用一式」といいます。
具体的には、「斎場の使用料」や「棺や祭壇、遺影などにかかる費用」、また「葬儀スタッフの人件費」や「霊柩車・寝台車にかかる費用」などで、お通夜やお葬式を執り行う際に、必ず発生する費用のことをいいます。
ちなみに家族葬のタクセルでは、以下の内容が「葬儀費用一式」の中に含まれており、家族葬なら一式34万円(税抜き)からおこなうことができます。
注意が必要なのは、上記金額に斎場使用料や、火葬料金、お料理の料金が含まれていないということです。
斎場は、人数に応じて適したサイズの斎場を空き状況と照らし合わせて決めます。
また、火葬場へ支払う「火葬料金」はお住まいの自治体によって異なり、条件を満たせば無料の場合もありますが、だいたい数千円〜5万円程度の費用がかかります。こちらは事前に利用する火葬場のホームページなどで確認しておくとよいです。
お料理については、次の飲食接待費でご説明します。
②飲食接待費・返礼費とは
「通夜振る舞い」や「精進落とし」など、お通夜やご葬儀後の会食にかかる費用を飲食接待費といいます。また、葬儀に参列していただいた方へのお礼の品(会葬返礼品)や、いただいたお香典に対するお返しの品(香典返し)にかかる費用のことを返礼費といいます。
①の費用が必ず必要な費用なのに対し、飲食接待費・返礼費は、必要に応じて変動する費用になります。
最近は、新型コロナウィルス感染予防の観点から、会食を省略するケースも増えています。
また気心の知れた方々が集まる家族葬では、お香典を省略するケースもあります。
会食もお香典も省略するとなれば、飲食接待費・返礼費はかなり抑えられます。
また会食をされない代わりに、折り詰めやお弁当を用意し、参列者に持ち帰ってもらうなど時世に合ったおもてなしをされる方もいらっしゃいます。どのような形にするかは葬儀社と相談しながら決めていかれるとよいと思います。
③宗教者への謝礼とは
ご葬儀をおこなう際には、僧侶や牧師など宗教者に立ち会ってもらいます。
その際に、お寺、教会、神社などに支払う費用が、宗教者への謝礼です。
仏教であればお布施、キリスト教式であれば献金と言われるものがそれにあたります。
よくお布施はいくらが相場なのかというお問い合わせをいただきますが、僧侶に読経していただいたり、戒名を授けていただいたことに対するお礼の気持ちなので、金額に決まりはありません。ただ一般的に、10万〜20万程度が相場と言われています。
もしもお渡しする金額にご不安がある場合は、葬儀社に相談したり、直接菩提寺にお聞きしてみてもよいと思います。ちなみに、謝礼は喪主様から直接宗教者に手渡しするのが一般的です。
家族葬の費用相場
次は家族葬の費用相場についてです。
家族葬の大まかな費用相場は、約40万〜150万円といわれています。
先に述べた通り、参列者の人数やどのようなグレードの式にするか、また会食をおこなうか、お香典をいただくか、などによって変動します。またお住まいの地域によっても相場に差がでてきます。
家族葬に限らずご葬儀全般で見た2022年の葬儀費用の平均額は以下の通りです。
※2022年の鎌倉親書による「第5回 お葬式に関する全国調査」による
2022年は、コロナ禍でも感染防止対策をおこない、少人数で心のこもったお葬式をおこないたいという需要が高かったためか、家族葬による葬儀が、一般葬をはるかに上回り全体の過半数を超える数字となりました。
平均費用が過去最安値となったのも、そのような背景から家族葬をはじめとするシンプルなご葬儀が増えたことが影響していると考えられます。
葬儀費用を安く抑えるポイント
最後に、家族葬の費用を安く抑えるためにできることをお伝えします。
費用の安い斎場を選ぶ
斎場の使用料は、公営か民営かによっても異なります。
ちなみに公営斎場は、民間斎場の1/2程度の額で借りることができる場合が多いですが、人気がある分予約が取りづらいというデメリットもあります。
少人数の家族葬であれば、人数に見合ったコンパクトな斎場を選ぶことでその分費用を抑えることができます。
公営の火葬場を選ぶ
火葬料金は各自治体によって決められていますが、故人様の住民票のある自治体の火葬場であれば、市民割引が適用されるケースが多く、中には無料または数千円の自治体もあります。
また自治体によっては、故人様だけでなく、喪主様の住民票でも市民割引の対象となることもありますので、まずは該当する自治体の公式サイトを調べてみてください。
飲食費を抑える
「通夜振る舞い」や「精進落とし」にかかる費用はお一人あたり2000円〜5000円が相場です。家族葬では省略するケースも多く、そうすることで飲食にかかる費用を抑えることができます。
お通夜を省略する
お通夜を省略した葬儀のことを「一日葬」といいます。
感染予防の観点から、こちらも近年需要を伸ばしているご葬儀スタイルの一つです。
ご葬儀後火葬をおこなうシンプルな葬儀で、お通夜にかかる斎場使用料や宗教者への謝礼なども抑えることができます。
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葬儀費用を相続税から支払う
葬儀費用を相続税から支払うことで、その分を控除することができます。
手続きに必要になるので、葬儀にかかった費用の領収書・明細書は必ず保管しておきましょう。
葬祭費補助制度を利用する
故人様が国民健康保険または後期高齢者医療保険の被保険者の場合は「葬祭費補助制度」を活用することができます。自治体によっても異なりますが5万円程度の補助金がもらえます。制度を利用するためには、会葬礼状または葬儀費用の領収書など葬儀をおこなったことが証明できる書類が必要になるので、大切に保管しておきましょう。
葬儀保険を利用する
故人様が葬儀保険に加入されている場合は、加入されている保険会社に連絡しましょう。保険会社によってサービスの内容は異なりますので、直接保険会社に確認してください。
割引制度を活用する
葬儀社によっては、事前に会員登録をおこなったり、資料請求をおこなうことで葬儀費用が割引になる制度を取り入れている会社もありますのでそちらも活用しましょう。
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