最近は感染症対策の観点からも、家族葬を選ぶ方が増えています。
家族葬は、親しい方だけでおこなうご葬儀で、コロナ対策以外にも、ご家族の負担が減りゆっくりと故人様とのお別れができるなどのメリットがあります。
とはいえ「一般葬と比べて何が違うのか」「どこまでの人を呼べばよいのか」など、家族葬については意外と知られていないことも多いです。
そこで、今回は家族葬の定義や参列者の範囲、そして注意すべき点やマナーについて、解説したいと思います。
目次
家族葬とは
家族葬とは、ご家族や親戚、親しいご友人たちが集まって、小規模におこなう葬儀のことを家族葬といいます。
名前に「家族」とあるため家族だけでおこなう葬儀と思われがちですが、そうではありません。故人様が生前仲良くされていたご友人や会社の同僚などをお呼びする家族葬もあれば、家族だけの数名でおこなう家族葬もあります。
家族葬と一般葬との違い
家族葬は、お通夜・告別式・火葬を2日間でおこない、僧侶をお呼びして読経をおこなうなど、基本的な流れは一般葬と同じです。
ただ参列者が少ない分、所要時間は少し短くなります。
人数によっても異なりますが、お通夜が約40分、告別式が40~50分ほどのイメージです。
家族葬と一般葬の決定的な違いは、参列者を限定するかしないかです。
一般葬は故人様と関わりのあった方に広くお知らせし、多くの方にご参列いただきますが、家族葬はご参列いただく方を身内や親しい方々に限定してお知らせします。
そのため、どなたまで参列いただくかの線引きが難しく、対人関係のトラブルを招きやすいので注意が必要です。
家族葬と密葬との違い
同じように身内だけでおこなう葬儀に「密葬」がありますが、密葬と家族葬はまったく別物です。
密葬は、主に有名人や大企業の社長などが亡くなられた際などに、本葬に先駆けて親しい方だけが集まっておこなうご葬儀のことをいいます。
つまり密葬は、必ず、本葬やお別れ会とセットでおこなわれるご葬儀なのです。
家族葬のはじまりと今
一説によると、家族葬は、ある葬儀社が「家族葬」と銘打って小規模な葬儀をはじめたのがきっかけと言われています。それをマスメディアが取り上げたことで徐々に広まっていきました。
少子高齢化・核家族化など社会背景の変化もあり、経済的な理由などから「盛大な葬儀ではなく、小さいけれど心のこもった葬儀をしたい」と思う人が増えてきたことや、最近では新型コロナウィルスの感染予防の観点からも、密を避けることができる家族葬を選ぶ人が増えています。
ちなみに2022年の鎌倉親書による調査では、葬儀の中でも「家族葬」が55.7%、「一般葬」が25.9%、「直葬・火葬式」が11.4%と、家族葬の割合が過去最多となり、過半数を超えたことが報告されています。
家族葬の連絡をする範囲はどこまで?
家族葬で悩ましいのが、どなたまでご参列いただくかの範囲です。
親族に伝える範囲も、一般葬であれば二親等以内の血族と一応の決まりはありますが、家族葬にはありません。
極端な話、親族にも伝えずに、一緒に暮らしているご家族数名だけでおこなう家族葬もあれば、親族や友人に集まっていただき、100名でおこなう家族葬もあってよいのです。
どなたにご参列いただくかは、ご家族様の判断で決めることができます。
参列者の範囲で注意すべきこと・マナー
家族葬が浸透してきたとはいえ、まだ、葬儀といえば駆けつけるものと思っている方もいらっしゃいます。
また参列者を限定することに対して親族や家族から反対を受けたり、ご葬儀に自分が呼ばれなかったことで気を悪くされる方もいらっしゃるかもしれません。
家族葬で注意すべき点は、このような対人関係にあります。
トラブルを回避するためには、以下のマナーに気をつけましょう。
1. もしも連絡するか迷う人がいる場合は、お呼びする。
2.ご葬儀日程などの連絡は、参列いただく方以外にはしないようにする
3.ご参列いただかない方には、「会葬辞退のご案内」または「訃報通知」をお送りする。
4.ご近所の方には伝えていなくても知られる可能性があるので、事前に葬儀社に対応を相談しておく。
家族葬はどんな人に向いている?
上記の注意点を気をつけていれば、家族葬はメリットの多いご葬儀です。
どんな方に家族葬が向いているのかを、簡単にまとめてみました。
・故人様との最後の時間を心おきなくゆっくりと過ごしたい方
多くの会葬者のいる一般葬は、参列者対応などで葬儀当日もご家族様はお忙しいです。本来なら、故人様との時間を一番にしたいはずなのに、なかなかそうはいかないところがありました。
一方家族葬は、気心の知れた間柄の方々のみが集まっているため、気疲れや対応に追われることも少ないです。その分、故人様とゆっくりと最後のお別れをしていただけます。
・新型コロナウィルス感染防止のため、密を避けて葬儀をおこないたい方
大人数のご葬儀は、感染リスクも高まります。
ご葬儀となれば小さいお子さんからお年寄りまでが集まることになりますので、ハイリスクの方への配慮も必要です。またクラスターが起きてしまっては取り返しがつきません。
少人数の家族葬で、きちんと感染症対策をおこなっていれば、クラスターのリスクも最小限に抑えることができます。
・形式にとらわれず、自由なご葬儀にしたい方
生前、故人様にご葬儀に対するご希望があった場合などには、家族葬が向いています。また、故人様の好きだった音楽をかけたり、好きだったものに囲まれた葬儀をしたいなど、ご家族様のこうしたいというご希望に添ったご葬儀を叶えやすいのも家族葬のメリットです。
・費用を抑えた葬儀をしたい
家族葬なら、一般葬に比べて費用も抑えることができます。葬儀の内容によって費用は前後するのであくまで目安ですが、一般葬の費用相場は200万、家族葬の費用相場は100万と言われています。家族葬の場合お香典による収入は少なくなるためその点を考慮したとしても、一般葬に比べ費用は確実に抑えることができます。
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